インプラントと超音波骨折治療器
インプラント歯科医院で一世を風靡したものに超音波骨折治療器というのがあります。
これは、もともとは、骨折した部位に、特殊な超音波を当てて、骨折の治りを早くさせるような効果があります。
インプラント歯科業界では、15年近く前にすごく流行りました。
我々の世代のおじさんたちにとっては、以前、イングランドのプロサッカー選手のベッカムが、あしの指だったか、かかとだったか忘れましたが、骨折した時に、この超音波骨折治療器で治療をして、驚異的な速さで試合に戻ってきたことを覚えている方も多いと思います。
この時に使用したのが、この著しく骨折の回復を早める超音波骨折治療器で、それを歯科インプラント治療に応用して、インプラントと顎の骨を早くくっつかせる(オステオインテグレーションさせる)ことが流行った時期がありました。もう15年近く前だったような気がします。
インプラント歯科医師の間で、この骨折治療器は最近あまり話題にも上らなくなってしまっています。
これは、多分、あまり目新しさがなくなったのと、インプラント歯科治療を行う歯科医師が、ある意味二極化して、インプラント歯科治療を積極的にするところとほとんどしないところに分かれてきて、全体としては、インプラント歯科治療を行う歯科医師が減ったからでないかと、私は勝手に解釈しています。
また、この超音波骨折治療器を売る会社も、インプラント歯科業界に興味をなくしたのではないかと思っています。
現在では、日本でも、超音波骨折治療器が整形外科において一定の条件があるのかもしれませんが、保険適用となったと聞いています。この超音波骨折治療器を販売する会社にとっては、この整形外科における市場(マーケット)がとても大きく、インプラント歯科業界なんか市場(マーケット)が小さくて相手にできないという感じなのではないでしょうか?
真相は、私もよく把握できていません。
この超音波骨折治療器を使うと、インプラントと顎の骨がくっつく(オステオインテグレーションする)のに、4分の1ぐらいの期間早くなる、つまり、短縮できると言われています。
また、なかなか、インプラントが顎の骨にくっつかない場合(オステオインテグレーションしない場合)、この超音波骨折治療器で刺激をするとくっつきやすい(オステオインテグレーションしやすい)と言われています。
以上のことから、使用するインプラントの種類、埋入したインプラントの周辺環境にもよりますが、場合によっては、インプラント歯科治療においては、この超音波骨折治療器はかなり有効に働きます。