Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

1回法と2回法

インプラント治療の1回法と2回法

 

歯科インプラントのすべてが1回法か2回法かのどちらかです。

まず、1回法とは顎の骨の上の口腔粘膜に切開して切り込みを入れ、そこを起点として粘膜を骨からはがし、露出した骨をドリルで削り、その削った穴にインプラントフィクスチャー(インプラント)を埋入します。

問題は、この後どうするかです。この後また、骨からはがした粘膜を元に戻して、骨の中に埋まったインプラント先端、端の部分を、完全にいったんはがした粘膜で覆い、被覆して、そのインプラントの上の粘膜を縫合して、骨のなかに埋入したインプラントを完全に粘膜の下に覆い被ぶしてしまう状況にすることを、2回法のインプラントといいます。なぜならば、インプラント埋入後、2ヶ月間待った後、粘膜の下にあるインプラントを口腔内に出すため、もう一度、麻酔をして粘膜を切ってインプラントの先端を出し、そこに高さのあるキャップをつけて、口腔内に大きく出し、そのキャップの周りに粘膜がくるようにまた縫合しなければならないからです。つまり、インプラントの埋入とインプラントの先端を口腔内に出すということで、2回の外科処置が必要になるということで2回法と呼んでいます。例えば、インプラントの長さが、15ミリのインプラントをその15ミリをまるまる骨の中に入れてしまう場合がこれに該当します。

それとは違い、1回法とは、例えば、インプラントの長さが15ミリならば、そのうちの10ミリを骨の中に入れて、残りの5ミリは口の中に露出させて、粘膜の貫通部をきれいに縫合して傷口の治りを待つというインプラントの方式です。つまり、1回埋入すれば(1回法の場合は、インプラントの埋入と呼ばずに、インプラントの植立と呼ぶのが一般的です)、あとは、傷口の治りを待って型をとるだけになります。もう1回切ったり、張ったりという外科処置をする必要がなくなります。

この1回法と2回法には、単に行う外科処置の回数だけの違いではなく、それに伴う重要な意味の違いがあります。

もちろん、患者さんにとっても2回外科処置をすることは、嫌なことだと思います(2回目の外科処置は、骨を削るわけではないので、腫れたり、痛みが出ることはないですが)が、それだけではなく、インプラントの治療上、2回も粘膜をはがすことは、わずかではありますが骨の吸収の原因になります。0,1~0,5ミリの骨が吸収することがあり得ます。

また、逆に2回法の方が2回目の外科処置の際に強固な粘膜(角化粘膜)を移動させやすく、その結果インプラントを安定させやすくします。

また、1回法の場合、インプラントの植立後、すぐに口腔内にインプラントの一部が出るわけですので、(つまり、インプラントが骨とくっついていない状態のときに、単に骨にインプラントをうち込んだあとの状態で、顕微鏡で見て骨とインプラントがくっつくまでは、2ヶ月かかります。)ある程度のチカラが口腔内に出たインプラントにかかると、インプラントは微小に動き、その結果、感染が起こり、インプラントが抜ける結果となり得ます。2回法の場合は、完全に骨の中に入れますのでこの心配はありません。

従って、1回法と2回法にそれぞれ、良い所・悪い所がありますので、大切なのは、患者さんの顎の骨、口腔粘膜の状態から、どちらが適しているか判断することです。(最近は、世界的に2回法が主流となってきています)

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