インプラント治療:最近の動向
その後のインプラント治療
ここ20年で歯科業界においてインプラント治療がかなり普及しました。
(このことは、日本だけでなく韓国や中国などのアジアで特にその傾向がつよいです。)
日本においては、最近、歯科業界ではインプラントの話題はすっかり少なくなりました。
20年近く前は、歯科業界での話題といえば、ほとんどがインプラントの話ばかりでした。
それと同時に当時はインプラントに関して、いろいろな埋入テクニックが考え出され、また材料的、素材的にも大きく進歩して、インプラント治療において周辺技術、環境、コンピューター支援も整えられました。
それでおおくの歯科医師がインプラント治療を始めるようになりました。
これが、我々歯科業界の人が名付けたインプラントバブルというものです。
しかし、このインプラントバブルも長くはつづかず、2010年過ぎにそのバブルは弾けました。
都会では、インプラント治療を中心として歯科診療を行ってきた医院の倒産も出現して、その歯科医院でインプラント治療を行った患者さんのフォローをだれがするのかという問題までおきて大変混乱したこともあったと聞いています。
それからまた、10年近くがたち現在に至っています。
現在の歯科業界においては、インプラントという単語はあまり聞かなくなりました。
その理由は
①歯医者がインプラント治療の技術を習得するのに長い時間と費用がかかる為(大学教育においては、ほとんど教えられてない)
②日本にインプラント治療が急激に普及したため、一時期におおくの人がインプラント治療を受けて、インプラント治療をうける意志のある患者さんの多くが受けたため新たに治療を希望する人が少なくなった、つまり需要が減った
③日本人の口腔内の状態が急激に改善しており、歯が欠損している人数が減ってきており、将来的には、その傾向がもっと強くなるため、需要が減ることが予想されるため
④インプラントブームが終わったため、歯科医師がインプラント治療を身につける場と機会が著しく減り、新たにインプラント治療を中心に行おうとする歯科医師が減った
⑤現在はインプラント治療を中心に行おうとすると、おおくの場合が難症例化しており、かなりの経験と勉強をしないと対処できない場合がおおくなった
以上のことから、歯科業界においては、インプラント治療に対する注目が著しく減りました。
逆に私のような、インプラント治療を真剣に行ってきた者にとっては、あるべき状態にもどりとてもいい傾向だとおもいます。
また、インプラント治療を受けたい方にとってもいいことだとおもいます。