歯科インプラントと顎の骨の接着力
インプラントと顎の骨の接着力
ヒトの噛む力はとても強いです。
そのチカラに負けないように、正常な天然歯は強く顎の骨と接着しています。
これが歯周病になると、天然歯と顎の骨との接着力が弱くなって、強く噛むとぐらついたり、ブラブラになって歯が抜けたりします。
ではインプラントの場合は、
歯科インプラントと顎の骨も、もちろん強く接着しなければ噛むことができませんので、強い接着力を必要とします。
もし、歯科インプラントと顎の骨の接着が弱ければ、噛もうとすると歯科インプラントとそれにつながる人工歯は、動いて倒れてしまうか、沈みこむか、抜けるかします。
そしてその時、歯科インプラントの周りの骨や軟組織が破壊されて、激痛がはしります。
従って、歯科インプラントが正常に機能している場合はその歯科インプラントと顎の骨は強く接着しています。
しかし、その歯科インプラントと顎の骨の接着力は、どの歯科インプラントメーカーのものでも、同じチカラで、接着しているわけではありません。
歯科インプラントのメーカーの製品の種類によっては、かなり強固に顎の骨と接着するものと比較的に弱いチカラで顎の骨と接着する歯科インプラントの製品があります。
これは、歯科インプラントメーカーの製品によって違ってきます。
顎の骨と強く接着する歯科インプラントの会社の製品のものであれば、その歯科インプラントを顎の骨の中に入れれば、まあまあ安心できます。
しかし、顎の骨との接着力が弱い歯科インプラントであれば、少し不安が残ったりします。
その観点からは、やまもと歯科インプラント室で使っているストローマンインプラントや、スプラインインプラントという製品は、顎の骨と強い接着力を持っていますので安心できます。
では、比較的に、顎の骨と歯科インプラントの接着が弱いものを採用している場合は、どうすればいいか?そのままにしていれば、成功率が下がってしまいます。
従って、何かの対処が必要です。
その対処のひとつに、歯科インプラントの埋入の直前に光機能化(ひかりきのうか)すると、接着力が上がりますので、それで対処することになります。
この光機能化とは、ある種の紫外線を歯科インプラントのチタンの表面に当てることによって、経時的に炭素化するチタン表面をを改善させようとする方法です。
この方法は、その点では効果があります。しかし、欠点として、歯科インプラントをパッケージから出して時間をかけて光機能化するわけですから、医院内の空気と接する時間が長くなり、その間の細菌の付着というインプラント歯医者にとっての心配ごともうまれます。
では、そもそもなぜ、顎の骨と接着力が比較的弱い歯科インプラントを使うのかという問題があります。
この第一の理由は、その顎の骨と歯科インプラントの接着力の弱さをカバーするだけの利点があると、採用しているインプラント歯医者は考えているからです。
その利点は、人工歯、上部構造を作る自由度が大きくなるということです。
インプラント治療は、それぞれのインプラント歯医者によって考え方が大きく異なる治療ですので、それらのことを確認した上での治療をお勧めします。
私の歯科インプラント治療における優先度は、人工歯の自由度よりも歯科インプラントと顎の骨の接着力です。つまり歯科インプラントが、顎の骨から抜けないということです。