Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

抗生物質

インプラント治療における抗生物質
こんにちは、富山県高岡市のやまもと歯科インプラント室の山本です。
歯科インプラントの埋入、植立の時は、その前後には、抗生物質を飲むということが、現在の世界の歯科インプラント界では、標準となっています。
昨今、抗生物質の適切な使用が日本社会で大きな問題となっていますが、私自身は、インプラント埋入手術において、術前に適切な抗生物質を飲んでもらうことは、インプラント治療を成功させる上でかなり有効だとおもっています。
特に鼻の横にある上顎洞といわれる空洞に人工骨を入れたりする時には効果を発揮します。
スペインのバルセロナ、カタルニア国際大学の歯科インプラントの歯科医師が、おもしろい論文を発表しました。
それによると、抗生物質の一種であるペニシリンにアレルギーのある人は、歯科インプラント治療においてインプラントが抜けるリスクがペニシリンアレルギーでない人に比べると4倍高いという研究結果を発表しました。
内容は、ペニシリンアレルギーのある人には、歯科インプラントの埋入の術前、術後にペニシリンではなく、クリンダマイシンという抗生物質をのんでもらったということです。クリンダマイシン(抗生物質と言ってもペニシリンとはまったく系列がちがうもの)という抗生物質は、日本の歯科医療、インプラント治療では、ほとんど使われない抗生物質です。(歯科での使用は、おこなってもいいことになっていますが)
また、国ごとに、歯科治療に使える抗生物質の種類が違いますので、ある国の歯科治療では、使用できる抗生物質が、違う国では使えないということもあります。
このスペインの研究者は、ペニシリンアレルギーの人は、歯科インプラントが顎の骨から抜けやすくなったのではないかという結論を出しています。
私は、このスペインのインプラント歯医者の結論は、間違えていると思っています。
この歯科インプラント治療の失敗率は、ペニシリンアレルギーだからインプラントが抜ける率が高くなったのではなく、クリンダマイシンが、歯科インプラント治療には、向かない、効果がない、対象となる細菌が違うのではないかという結論が正しいのではないかと思っています。

または、その他の理由も考えられます。
結論の導き方が違うのではないかと思っています。
幸いなことに、日本では、ペニシリン以外の抗生物質で、インプラント治療において、とても効果がある抗生物質が歯科での使用が認められたものがあります。
従って、クリンダマイシンを使うインプラント歯医者は、現在も、将来も、当分の間はいないものと思われます。