セレックとインプラント
インプラントの人工歯にはセレック
歯科インプラントとは、虫歯や歯周病(歯槽膿漏)、外傷、腫瘍などにより歯を失った時、または、生まれながらにして歯がない時(先天性欠損、歯医者用語では先欠〔せんけつ〕と呼んでいます)に、普通は、チタン(CPチタンつまりほぼ純チタン、チタン合金)の人工的な歯の根っこを顎の骨の中にいれます。
そして、その人工歯根(人工的な歯の根っこ)の上に、セラミックなどでできた人工歯をつなげます。
そのつないだ人工の歯は、差し歯みたいなものです。
そのインプラントにつなげる人工歯は、さきほどセラミックなどと言いましたが、セラミックでなくても金属でも、なんでもできるのですが、やはり一番すぐれているのはセラミックでできた人工歯です。
適合、精度、強度などを考えると、そのセラミックのなかでもセレックというものが多くの場合で一番いいのではないかと考えています。
セレックとは、もともとは、即日に、光を使って(土台の歯に光を当てて)、その歯の形を読み取り、パソコン内で歯の形を再現して、そのパソコン上で人工歯を設計して、その設計した人工歯を、セラミックの塊の棒を機械にいれて削り出してパソコン上で設計した通りに削りだす方法です。
インプラント歯科では、この技術をインプラント治療においてももちろん使用することができます。
インプラント治療において、このセレックの技術を使って人工歯を作るとセラミックの棒を削り出すわけで、このセラミックの棒は、工業的に作られていて、粒子などが均一で、従来は、セラミックを作る粉と液を混ぜ合わせて、それを盛り上げて高熱で焼いて(茶碗、陶器をつく時みたいに)作っていくと、人間が、ある意味、感覚と経験で行うものですので、作る人によるばらつきが大きく、また、セラミックの中の成分もムラがあり、均一にできるということはないですので、それが強度面に特に反映されてしまいます。
従って、工業的に作られたセラミックの棒を削って作っていく方法ですと、最初から均一でムラがなく、精度もすぐれたセラミックの人工歯が作れます。
インプラント治療においては、アバットメント(金属チタン、既成のセラミックでできた人工歯の内側のど土台)に人工歯をつけるわけですので、セレックシステムを使った方法が最適です。