インプラント歯科医師に大切なこと
視覚的な立体感覚
富山県高岡市やまもと歯科インプラント室の山本です。
今回は、インプラント歯科治療を行う上で、歯科医師にどんな能力が必要かについてです。
結論的には、歯科医院のチェアーで横になった状態で、どれだけ、その患者さんの顎の骨の形が、インプラント歯科医師の頭で、想像、再現できるかということにつきると思います。
そんなの、レントゲン写真を見たり、CTの画像を見れば、簡単に出来るじゃないかというかもしれませんが、患者さんは歯ぐきがあり、くちびるがあり、少し顎をあげた形で口をあける人もいますし、逆に顎を引いた状態で頭をヘッドレストにつける方もおられます。また、口をあければ、顎の位置も変わりますし、少し横を向く方もおられますし、インプラントを入れる穴を削っている最中に、頭を動かす場合も多いです。
実際の顎の骨の表面の傾斜は、CT画像で見るイメージと角度が違う感覚をするときもあります。インプラント治療に慣れていない歯科医師は、このへんの感覚が掴めないことが多いと思います。
従って、骨の形の立体的なイメージを持つ能力が発達してないと、もしくは慣れていないと、インプラントのために削るドリルの先が顎の骨からはずれたり、とびだしたり、血管、神経に当たったりします。
これは、元々、空間の中の位置的な感覚が鋭ければ、インプラント歯科医師としてかなり有利です。顎の骨の入れたい場所にインプラントを入れることができるからです。
また、この能力はトレーニングによってもかなり向上させることができます。
そして、この手助けになるハード面の設備というものが充実していれば、かなり正しい顎の骨の形のイメージを持つのに役に立ちます。
そのハード面の設備の代表が歯科用CTです。
また、インプラント歯科医師がインプラントのための穴を削るとき、削りたい場所に必ずしも、穴を削ることができないということがあります。その理由は、骨にの凹凸や抜歯直後の骨の傾斜などによりドリルの先が顎の骨からすべったり、はじかれるような感覚で動いてしまうということがあるからです。この場合も、顎の骨にまず垂直に当て、ある程度いったらまたドリルの方向を立て直すことが大切です。
このときもやはり、顎の骨の立体的なイメージをインプラント歯科医師の頭に正しくいれておかないとできないことです。
この能力がインプラント歯科医師にかなり大切なものであり、腕がいいインプラント歯科医師の条件です。