Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

インプラントの埋入はどのぐらい痛い?

インプラント治療において、インプラントを埋入する際、どのぐらい痛いのか?ということは、今までインプラントを顎の骨に埋入する手術を受けたことがない人にとっては、まったく分からないことだと思います。そこで、どのぐらいのレベルのなのか、今までに受けたことがある治療と比較してみようと思います。

下顎の奥の歯の治療を想定します。

①むし歯が進んで、神経を取る時

②神経に近いむし歯を削るけれど、神経は取らない時

③中程度の炎症が根っこのさきに残っている歯を抜く時

④慢性炎症がある歯を抜く時

⑤インプラントを埋入する時

以上の①から⑤までのケースについて、私が歯科医師としての30年の経験と知識から考えてみます。

ここで、①から⑤までのケースで、局所麻酔が無しで治療が行えるものは一つもありません。

ということは、①から⑤までで、どれが麻酔が効いて、麻酔が効きにくいかの違いとなってきます。

では、局所麻酔について

歯科治療、インプラント治療では、普通は局所麻酔としてキシロカイン(エピネフリン入りリドカイン)を使用します。

歯科医院で治療を受けた方は、このキシロカインを歯茎に注射で入れられた方も多くおられることだと思います。

これは、歯茎に注射していると思われるかもしれませんが、歯科医師、インプラント歯科医師は歯茎に針を入れ、骨、歯槽骨に当たるまで針のさきを進めます。つまり、歯槽骨の上にキシロカインの液が注入されるわけです。歯槽骨の中には歯の根っこが存在します。

キシロカインは歯槽骨を浸透して、歯槽骨の中にある歯の根っこの表面、歯の根っこの表面は、歯の根っこと歯槽骨をくっつける薄い膜状の物質つまり歯根膜に到達します。

この歯根膜にキシロカインが到達すれば、歯を抜く時に痛くなく歯を抜くことができます。歯を抜くということは、歯の根っこの表面の歯根膜(歯の根っこと歯槽骨をくっつけている膜、物質)を断裂させれば、歯がグラグラになり歯を抜くことができます。

歯の根っこのさきにある部分の歯の歯根膜から、それにつながる歯の中の神経(歯根膜と歯の神経は、歯の根っこのさきでわずかに、極細の断面ではありますがつながっています、その極細の断面を通って、歯の中央までキシロカインは浸透します)までキシロカインが到達しないと、切削器具などが神経に触れると激痛が走りますので、キシロカインはさらに歯根膜から歯の中に入って神経まで到達しなければ神経を取ることはできません。

歯根膜から歯の中の神経までキシロカインが入る道は極細なので、かなりの濃度のキシロカインが必要になります。

 

歯を抜く場合のキシロカインの経路

注射   歯茎→歯槽骨→歯根膜

歯の神経を抜く場合のキシロカインの経路

注射   歯茎→歯根膜→歯根膜→歯の神経

 

となりますので、歯を抜くより歯の神経を取る方がもう1行程キシロカインの経路が多くなりますので、より麻酔が効きにくくなります。

 

では、インプラントを埋入するときは。

注射   歯茎→歯槽骨→歯槽骨の中央

となりますので、神経を取るよりは、麻酔が効きやすくなります。

局所麻酔薬で、重要なことが一つあります。

それは、キシロカインなどの局所麻酔薬は、酸性下(ペーハーが低い)では、効果が効きにくくなります。

局所に炎症があれば、そこは酸性になります。炎症が強ければ、さらに酸性が強くなります。

つまり、抜歯が必要な歯は多かれ少なかれ炎症が存在しますので、歯が抜けて何にもない状態と比べれば酸性になっているため、麻酔は効きにくい状態となっています。

つまり、歯を抜くよりはインプラントの埋入の方が、局所麻酔キシロカインが効きやすいということになります。

また、歯の神経を抜いたり、深いむし歯を削るより、インプラントを埋入する方が麻酔が効きやすいということになります。

結論①②③④よりも⑤のインプラントを埋入するときの方が痛みは小さくなります。

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