Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

喫煙者のためのインプラント治療

タバコ、喫煙とインプラント治療

 

以前は、インプラントを埋入の日の前後2週間は、喫煙者の方は禁煙していただくのが多くのインプラント歯科医師のスタンダードでしたが、最近では厳密に要求する歯科医師も減少傾向にあります。

インプラント埋入の前後に喫煙をしていると、インプラントを入れるために歯茎を切ったりはがしたりした後、その切った歯肉を縫合してもその部分の血行も悪くなりますし、免疫力、白血球などが影響を受けて、感染に対する抵抗力が弱くなったり、切った傷口自体の治りが悪くなることから、インプラント治療には良くないと言われていました。

実際に統計をとっても、初期の成功率は、統計をとった研究者にもよりますが、最大数パーセント下がります。

長期の成功率の観点からも、禁煙されている方がインプラントに対しては有利です。

(歯周病も同じで、喫煙者は歯周病という観点からも自分の歯が抜けやすくなります。)

また、時々、喫煙者にはインプラント治療自体を行わないというインプラント歯科医師もいますが、もちろん、禁煙はしてほしいですが、喫煙者は一定の割合の方がおられるわけで、その数がゼロになることは非現実的で、そういう方々からインプラント治療を受ける権利を無くすというのも問題はあると思います。また、歯周病の患者さんに、禁煙できるまで歯周病治療を行いませんというのは非現実であるのと同じのような気がします。

そこで、最近では、喫煙者に対するインプラント治療というものも、ある程度考えられるようになってきました。もちろん、禁煙してもらうのが一番ですが、できない方には、できるだけ口腔内の粘膜を切ったりはがしたりせずに行うことにより、喫煙者の感染のリスクを抑えることによってインプラントの埋入を行うことが対処法となっています。

このインプラント埋入をする方法をインプラント歯科医師はフラップレス埋入と呼んでいます。

 (インプラント歯科医師の研究者のなかには、喫煙の本数とインプラント治療の成功率について研究したインプラント歯科医師もいます。インプラント治療を希望されている患者さんに、喫煙はインプラント治療には良くないという話をすると、喫煙されている患者さんが「それでは、インプラントの埋入する前後2週間はタバコの本数を減らします」という方が多いですが、タバコの本数を減らしたら成功率がどうなるかということを調べたインプラント歯科医師がいます。結果は、タバコの本数を減らしても、減らさないのと同じ結果であったということです。結論としては、インプラントの埋入の前後2週間にタバコの本数を減らしても減らさなくても変わらない。なので、可能であれば、減らすのではなく禁煙してほしいということです。)

 では、禁煙できない場合の対処法。フラップレスのインプラントの埋入について。

インプラント歯科医師ができるだけインプラントを埋入した周囲の血流を止めず、血行を良くして、感染のリスクを減らし、治りを早くさせることが有効です。

通常は、インプラント歯科医師がインプラントを埋入の際に、歯茎を切ってその歯茎をはがして、直接アゴの骨の一部を露出して、その顎の骨のカタチを直視して、その直視した顎の骨に、穴を開けて、そこにインプラントを埋入します。こうすることで、顎の骨の一番良いところにインプラントを入れるのがインプラント歯科医師の目で直視してできますので確実な方法です。

しかし、この際、歯肉を切ってその歯茎を骨からはがすと(歯茎は、骨からはがされ、ピンセットでつまむことができる状態で、ペラペラな状態です。この動いてペラペラの歯茎をインプラント歯科医師は、フラップと呼んでいます)、血行の遮断が起きて、インプラント埋入部とその周辺に血液を送れなくなり、その結果、感染が起こりやすくなります。

そこで、この歯茎を切って骨からはがしたペラペラの歯茎、つまりフラップを作らなければ、感染のリスクが減る訳です。しかし、以前は、骨の状態はフラップを作らないと分からなかったために、フラップを作らずにインプラントを埋入することは不可能でしたが、ここ10年、歯科用CTの普及とガイド手術の技術の向上でこのフラップを作らずに、つまり、ピンポイントでのインプラントの埋入が可能となりました。これをインプラント歯科医師は、フラップレスでのインプラント埋入と呼んでいます。

このフラップを作らずに、インプラントをピンポイントで埋入するフラップレスのインプラント埋入をすることにより、インプラント埋入後の痛み腫れのリスクが大幅に減り、血行も良好に保つことができるので、感染のリスクも大きく低下させることができす。

従って、喫煙によってインプラント治療時にリスクが高い方は、フラップレスによるインプラントの埋入することが適しています。

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