Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

治療期間 インプラントが骨にくっつく(オッセオインテグレーション)まで

骨に打ち込んだインプラントは、そのインプラントが骨に打ち込んだときの摩擦力によって骨にとまると、多くの方が思っておられます。

つまり、金属のクギを木に打ち込んだ時と同じように考えておられる一般の方、時には歯科医師がおられます。

これは、一部分はあっていますが、大部分は間違いです。

長いあいだ、顎の中で機能しているインプラントにおいては、インプラントが骨と接着するのは、打ち込んだ時の摩擦力ではなく、顕微鏡的に見ると、インプラントのチタンの表面にミクロン単位で、骨がからみつくことによって、つまり、新たな骨が、インプラントのチタン金属表面の凹凸の上に作られることによって接着します。インプラント歯科用語では、オッセオインテグレーションと呼んでいます。

このオッセオインテグレーションが完成するのには時間がかかります。従って、このオッセオインテグレーションができるまでは、金属のクギを木に打ち込んだときのような摩擦力で骨から抜けないようにしているだけです。摩擦力ですので、クギ抜きと同じで、引っ張れば抜けてしまう状態です。

摩擦力でもオッセオインテグレーションでも、見た目的には、インプラントが骨の中に入っている点で同じですが、顕微鏡で見ると、そのインプラントと骨の接触(コンタクト)の状態がまるっきり違うということになります。摩擦で骨に固定されている場合は、顕微鏡的にはチタン表面と骨の間は大きな隙間ギャップがありますが、オッセオインテグレーションしているものは、緊密に骨とインプラント表面のチタンは接触しています。

言い換えれば、インプラントを埋入した当初は、摩擦力で顎の骨から抜けないようにして、時間が経ち、オッセオインテグレーションをするのを待って、インプラントと顎の骨が更に強く接着するのを(オッセオインテグレーションするのを)待つということとなります。

このオッセオインテグレーションするための時間は、インプラントの種類や製品によって違います。

①顎の骨の状態に大きな問題がなければ、1ヶ月でくっつく(オッセオインテグレーションする)インプラントもあれば、4~6ヶ月かかるものもあります。

早くくっつく(オッセオインテグレーションする)インプラントは、メーカー名で言えば、ストローマンインプラント、スプラインインプラントなどです。

ストローマンインプラントでは、4週間から6週間で、オッセオインテグレーションすると言っていますが、私は、安全をとってできれば8週間待つようにしています。

スプラインインプラントも8週間あれば、骨とインプラントはくっつきます。

また、時間を待ってもなかなか顎の骨とくっつかないインプラントもあります。メーカー名までは言えませんがチカラをかけると、高い割合でズルっと動いて抜けてしまうものもあります。

②上顎の奥歯のインプラント治療で、上顎洞が大きいために、人工骨を入れなければならない場合は、ソケットリフトと呼ばれる方法を使う必要があり、スプラインインプラントでは、骨とインプラントがくっつくまでに4ヶ月かかります。

またインプラント種類によっては、6ヶ月から1年近くかかるものもあります。

以上のようにインプラントのメーカー、製品の種類により、かなり違いますので、インプラント歯科医師にとっても、患者さんにとっても、使用するインプラントの種類はとても重要となります。それぞれのメーカー、種類のインプラントの特性を熟知した上での使用が大切です。

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