Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

インプラントと天然歯の違い

歯科インプラントとは、主流は顎の骨にチタン製の金属を入れて、あごの骨とそのチタンの金属が強く結合する(歯科インプラント用語ではオッセオインテグレーション)のを待って、そのオッセオインテグレーションの確認の後、型を取って、最終的には人工歯をかぶせて噛める状態にするものです。

一見すれば、構造は天然歯と同じように見えます。チタンの骨に入っている部分が天然歯の根っこの部分に相当して、噛む力を顎の骨で受けとめるように見えます。

しかしながら、この構造に若干違いがあり、そして、それが大きな意味を持つこととなります。

それは、歯科インプラントにおいては、顎の骨がチタンの金属の周りを直接多い囲み、骨とチタンが直接接触するという点が天然歯と違います。

天然歯は、周りの骨とは直接接触はしてないからです。一見、天然歯の根っこ(歯科用語では歯根)が、周りの顎の骨と直接に接触しているように見えますが、実は、歯の根っこ(歯根)の表面は、薄くて弾力性がある線維上の膜(まく)で覆われているからです。この膜を歯科用語では、歯根膜(しこんまく)と呼んでいます。

つまり、顎の骨と天然の歯の根っこの間に薄い弾力性のある歯根膜が介在するという構造となっています。この歯根膜は、天然歯でものを噛む時、そのチカラを顎の骨に直接伝えるのではなく、チカラの一部を吸収するというクッション的な役割を果たします。

インプラントでは噛むチカラを直接顎の骨に伝え、天然歯では噛むチカラを歯根膜と言うクッションを介して伝えますので、顎の骨にかかるチカラには違いが生じます。

また、歯根膜があるということは、噛むチカラによって、薄い弾力性のある線維は、数十ミクロン単位ではありますが圧縮されて沈み込みます。

従って、教科書的には、噛むチカラで沈み込む天然歯と沈み込まないインプラントの人工歯の噛み合わせの調整をする時には、反対の顎の歯(対合する歯)と接触して、噛み合うのを考えると、インプラントの人工歯は天然歯と比べると、その接触強さ、噛み合わせの高さを、少し低く、数十ミクロン低くする必要があります。

また、ブリッジの場合、天然歯と天然歯をつなぎ合わせる時は、その両方が天然歯なら同じように沈み込みます。また、インプラントとインプラントをつなぎ合わせるブリッジでは、両方沈み込ません。

では、インプラントと天然歯をつなぎ合わせるブリッジでは、噛むチカラが生じると、一方は沈み込み、一方は沈み込まないことが起きます。つまり、天然歯は沈み込み、それにつながっている全然動かないインプラントの部分を引き倒そうとします。そういうことが一定期間続くとインプラントが抜けてしまいます。

以上のように、インプラントと天然歯では、噛んだ時の沈み込み度合が違いますので、それに応じた配慮が必要となります。

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