Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

超音波振動で骨を削る

ピエゾサージェリー

 

3次元超音波振動で骨を削る機器があります。この器械をピエゾサージェリーと呼びます。

インプラント治療の際に骨を削って穴をあけます。そしてその穴にインプラントを入れ込みます。通常は、この骨に穴をあける道具は、回転切削器具であるドリルですが、このドリルに替わるものが開発されました。そのドリルに替わるものがピエゾサージェリーです。超音波の振動で細かいダイヤモンドで金属の表面をコーティングしたチップを骨の表面にあてると、超音波の振動で骨が削れていくというものです。

このピエゾサージェリーによるインプラント治療には素晴らしい利点がたくさんあります。その最大の利点は、このピエゾサージェリーのチップによって削れるのは、硬組織である骨だけだということです。軟組織である神経、血管などは削れません。ということは、間違って血管や神経に接触しても、なんの損傷もなく、安全だということです。回転切削器具であるドリルが血管や神経に接触すれば、その血管、神経を切断したり巻き込んでズタズタにちぎれたりしますが、ピエゾサージェリーではそんなことはなく、ただ接触するだけです。これはインプラント治療を行う場合、とてもいいことです。

次に挙げられる利点は、ピエゾサージェリーであけられた、削られた面は顕微鏡で見ると、損傷が小さいということです。回転切削器具であるドリルで削られた場合、熱もかなり発生して、顕微鏡で見ると火傷があり、かなりの損傷が見られます。ピエゾサージェリーではこの損傷がとても小さいということです。この骨表面の損傷が小さければ、インプラントをその削られた骨の穴に入れたとき、そのインプラントと骨の接している面は早く結合(インプラント歯科医はこの骨とインプラントとの結合をインテグレーションと呼んでいます)しやすいということが想像できます。

ピエゾサージェリーは10年ぐらい前に、日本でもインプラント治療を行う歯科医師の間で爆発的に売れたそうです。私もその頃、購入しました。そして、開発者であるイタリア人の講演会を聞きに行くために東京に行きました。そこでピエゾサージェリーによるインプラント治療の真髄を学びました。ただ、このイタリア人の先生は講演を英語でされましたが、イタリア語なまりの英語で、そのイタリア語なまりがあまりにも強くて、通訳の人も何を言っているか分からなかったようでいい加減な通訳をしていましたが。

現在は、このピエゾサージェリーはインプラント治療だけではなく、脳外科などの歯科領域以外でも使用されているそうです。

無料メール相談お問い合わせ

LINEインプラント相談 LINEでのインプラント相談を受け付けております。