Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

日本のインプラント治療の歴史は世界の非常識だった

世界で現在広く使われている歯科のインプラントの元祖は、1952年スウェーデンの整形外科医(歯科医師ではありませんでした。)ブローネマルクがチタンと骨がくっつくというのを偶然、発見したのが始まりでした。こうして、チタン性の人工歯根と骨が直接くっ付く歯科インプラントが発見・開発されました。

 

この発見以来、ブローネマルク医師が、いろんな研究、実験をして、実際の歯がない総義歯状態の患者さんの下顎に数本のインプラントをたて、その上に人工歯を取り付けました。

 

この初期段階の患者さんは、2010年以降の数年前に、歯科医院に呼ばれ、その状態が今、どうであるか確認され、世界のインプラントを行なっている歯科医師にその写真が紹介されました。そして50年以上経った、現在でも、埋入されたインプラントは、多少まわりの歯茎の状態は変化したものの、健全に機能しているのが分かりました。

当初のブローネマルクが開発した歯科インプラントも、段々と改良・改善され今では、元々の素材であるチタンはか変わりませんが、そのチタンの表面を酸で処理したり、ミクロ単位の粒子をぶつけてチタンの表面をザラザラにして、より、周りの骨に絡みやすくして、骨とチタン表面のくっ付く強さを強くしたり、様々な改良がなされてきました。

 

では、日本での歯科インプラントは?

 

日本最初の現代歯科インプラントは1978年に開発されたサファイアインプラントという歯科インプラントでした。そのインプラントの素材は、人工サファイアで金属ではありませんでした。金属でないということは、もちろん、チタンではもありませんでした。日本人の日本人による日本人のためのインプラントでした。

 

私が大学生の頃(1980年代)、私が行っていた九州歯科大学の病理学・口腔外科の研究者・大学院生は、このサファイアインプラントの研究をしていた人もいました。そして、授業では、インプラントについての公式な授業はありませんでしたが、時々その研究について語っておられました。

 

この歯科インプラントの講演会が日本全国で行われました。私もこのインプラントの講演会に歯科医師免許を取った後、直ぐに参加しました。

日本全国でこのサファイアインプラントが使用されました。

そして、その結果、歯科インプラントはとんでもない治療法だという評判が立ち、日本全国にインプラント治療は行なってはならない治療法だということになってしまいました。

 

この結論はどこからきているかというと、骨の中に入れたインプラントが骨の中で折れてしまうということが多発したり、(チタンなどの金属で、できているわけではなく、人工サファイアでできている為、折れやすかった)また、このサファイアインプラントは、前後の自分の歯を削ってつなげなければならなかったので、削った歯がむしばになったり、また、インプラントが直ぐグラグラになって使い物にならなくなるということも多発しました。それで、インプラントの悪い評判だけを残してこのインプラントは、歯科業界から消え去ってしまいました。

こうして日本の日本による日本人のためのインプラントは失敗に終わってしまいました。

 

そうしてその頃、ようやく世界標準のチタン製のインプラントが日本に紹介されました。この世界で、実績が確立しているインプラントが世界から遅れること30年で日本で使用されるようになり、ようやくインプラント治療法は、治療として確立されました。

 

しかし、最近まで、日本では、サファイアインプラントの悪評のため、インプラント自体を否定する歯科医師もまだ多く、60年以上の安心安全の歴史があるチタン製インプラントが、あの悪評のサファイアインプラントと同じだと間違えて考えておられる歯科医師(新しい情報が入っていない、まだ、サファイアインプラントの知識だけの歯科医師)もまだいるようで、ここに、日本のインプラント否定派歯科医師を生む原因となっています。

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