Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

エムドゲインとインプラント治療

PRPとエムドゲイン

 

インプラント歯科治療においては、多血小板血漿療法(PRP療法)は、インプラント難症例を解決するために、顎の骨(硬組織である骨)の厚みを厚くしたり顎の骨の高さを高くしたりと言う点では、今ひとつ効果が弱いということが多くのインプラント歯科医師の一致する考えとなりました。PRP療法は、インプラント埋入時に切開した歯肉を縫合した際、PRPを注入することにより、その縫合した面は早期のうちにきれいに治りますが、それは、インプラント治療においては枝葉の部分で、インプラント治療の成功という観点からは大勢にはほとんど影響を与えません。

PRP療法の後、インプラント歯科医師にとって注目を集めている療法はエムドゲインという歯科製品を使った治療法です。

このエムドゲインはシリンジに入ったジェル状の物質です。このエムドゲインをインプラントの表面に塗ったり人工骨に混ぜたり、埋伏していた歯を抜いて取り出し、その一部を砕いで粒状にして、それにこのエムドゲインをまぜて、顎の骨が炎症が起きた結果、それによって溶けてくぼんだところに置いて、そこが骨のような物質になるのを待ってインプラントを埋入したりするのに使用します。

このエムドゲインという製品は、エナメル上皮蛋白からできています。

エナメル上皮蛋白は、歯のまわりの組織の再生に利用される蛋白で、歯周病治療に用いられてきました。

このエムドゲインのジェルが入ったすごく小さな小瓶が何万円もするということで、高価なものなので、歯科医師としてもなかなか使いにくい歯科製品ではあります。

インプラント歯科領域において、ここ数年、このエムドゲインを使用した症例報告が多くされています。

このエムドゲインはそんなに新しいものではなく、歯周病の治療に20年近く前から使用されてきたものです。

現在も歯周病治療には有効なので、世界で広く使用されています。歯周病により溶けて、吸収して、失われた歯槽骨のところに、このエムドゲインのジェルが置かれて、そこを適切に封鎖すれば、また骨、歯槽骨が再生します。

この原理をインプラント治療に応用すると、インプラント治療の適応範囲が大きく広がります。

ただ、この方法も、エムドゲインを用いなくてインプラント治療が可能な症例に使う必要も意味もないということは言えます。

PRPにしても、エムドゲインにしても、その他のものにしても、適応症と言うものがありますので、治療を受ける際にはインプラント歯科医とよくご相談されるのがいいと思います。

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