Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

PRP療法

多血小板血漿療法(PRP療法)

 

最近、多血小板血漿療法(PRP療法)が話題となっているそうです。このPRP療法は1990年代にアメリカで発展しました。歯科分野で盛んにこの療法が行われたと聞いています。

患者さん自身の血液を少量10~20ml採血して、それを遠心分離機にかけて、高濃度の血小板血漿をつくり、それを歯茎に入れたり、インプラント埋入部に注入したり、自家骨や人工骨にまぜて、インプラントを埋入するための骨の厚みが少なっかたりしたら骨のボリュームを増したり、インプラントが骨と結合するスピードを短くするために使用されました。歯周病の治療としても使用されました。この多血小板血漿は色々な成長因子やサイトカインを含み、損傷した組織の回復を促進する作用があります。

日本では現在、主に美容外科や整形外科で今、盛んにこの療法が行われているようです。

もう15年ぐらい前に、日本の歯科領域、インプラント歯科領域でもかなり話題となり一世を風靡したという感じの治療法でもあります。

美容外科では、目の下、目尻のしわ、ほうれい線、その他、顔面を中心に、肌のたるみを改善するのに使用されているということです。

整形外科では、靭帯(じんたい)の損傷、肉離れ、腱炎などにトラブルの回復に使用されているということです。

日本の歯科、特にインプラント歯科領域では、15年前に色々な所でこの多血小板血漿(PRP)の講演会、実習セミナーが開催されました。富山県内でも、よくこの多血小板血漿(PRP)の話が出て、このPRPの生成の器械が売れたと歯科ディーラーから聞いています。

しかしながら、現在では、歯科領域、インプラント歯科領域では、この多血小板血漿療法(PRP療法)のことを聞くことはほとんどありません。

その理由は、この多血小板血漿療法(PRP療法)は主にインプラント歯科治療での使用を目的としていました。インプラント歯科医師が最も困ることは、患者さんの顎の骨にインプラントを埋入する為の幅、高さが無い為にインプラントを入れられないということです。これを解決する為にPRPを入れると、骨が比較的容易に作られて、患者さんの侵襲が少なくなるのではないかということからです。結果としては、PRP単独では骨の幅、高さを獲得することはほとんどできず、自家骨を患者さんのカラダの一部から採取して、それとPRPを入れ混ぜると、PRPを入れないよりも、多少早く採集した骨が固まる程度で、やはり患者さんからの自家採取は必要で、患者さんからの自家骨採取が必要ということは、患者さんが受ける手術の反応ダメージ、侵襲が大きいということには何の変わりもないということです。また、他にインプラントの材質、テクニック的な改善から、骨が少なくても、対処できる方法が開発されて、問題がある程度解決できるようになりました。

従って、この目的では、多少治療期間を短くする為だけの効果しかないということからあまり使用されなくなりました。

それとは逆に、口腔内の粘膜などの軟組織(顎の骨は硬いので硬組織と言われています)は、この多血小板血漿療法(PRP療法)により、劇的な治療効果があり、治りが早く、キレイになります。切開して縫合したところは、信じられないぐらい短期間で治ります。

現在、美容外科、整形外科でも、硬組織(骨)に対しては使用されていないことからも、そのへんのところは歯科における経験をかなり参考にして理解しているものと思われます。

結論としては、インプラント歯科においては、多血小板血漿療法(PRP療法)は、時々ある特殊な目的で使用されるだけとなりました。

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