Dr.BLOG山本院長ドクターブログ

最新?低侵襲インプラント

昨日は、朝一番の新幹線で東京へ。

ヨーロッパに本部があるITIというインプラントのグループの、年に一度の総会、勉強会に出席しました。

ITIは、ストローマンインプラントという製品を使用したグループです。

私もストローマンインプラントのユーザーであるため、このITIコングレスに参加しました。

私が参加したテーマは低侵襲インプラント治療です。

ついに、日本では、低侵襲インプラントの方向に動いてきたようです。

私自身は、ここ20年間、低侵襲インプラントを追求してきました。その間、いろいろなインプラントとその手技、術式を見てきました。その中で思ってきたのは、患者さんは、歯のために生きているのではないということです。歯があり、食べ物を食べ、話しをし、呼吸をすることは、口、歯が持つ機能の一部ですが、口腔、歯を良好に保つことは目的ではなく、健康は充実した人生を送る手段でしかありません。「健康のためなら死んでもいい」という、なかやまきんに君は例外的な存在です。

しかしながら、多くのインプラント歯科医師にとっては、口の中で見映えがよく、機能するものを入れるというのが目的となります。そして、患者さんの生活という観点が小さくなりがちとなります。それで、そういうインプラント歯科医師の目的を達成するためには、治療に2~3年かかっても、その過程で、かなり痛い思いをしても、そしてそのインプラント治療が一応の完了の後も、厳格な自己管理とメンテナンスを必要としてもお構いなしということが起きてきます。そして、そういう複雑な術式でされたインプラント治療は、厳格な自己管理がないと、壊れやすく破綻しやすくなります。

また、だいたい、一部の外科が好きな歯科医師、インプラント歯科医師は派手な外科処置が好きな傾向があります。

その一つの理由は、自分の外科手術におけるテクニック、スキルを思う存分、披露することができるからです(外科が得意な歯科医師としての自己満足という側面もあります)。しかしながら、これが、必ずしも、患者さんの幸せに直結するものではありません。複雑なテクニック、スキルを使うということは、腫れ、痛みなどの患者さんの肉体的負担が増加することを意味します。そして厳格なメンテナンスが必要になります。

そういう反省から、最近では、低侵襲インプラント治療を目指すインプラント歯科医師が、ある程度の人数が出てきて、この大きなITIのインプラントのグループでも、コングレスのテーマとなるようについになりました。

低侵襲インプラントを行うには、インプラントに関する基本に忠実なテクニック(派手で複雑なテクニックは必要ありません)と色々な知識が必要になります。

一種類のインプラントで行うのは無理です。ある種類のインプラントではできなくても、別の種類のインプラントでできることもありますし、また、全然違う視点からのインプラント治療が可能なこともあります。

例えば、骨が薄いので、インプラントを埋入する以前に前準備として骨を厚くする手術が必要な場合、本当に他に選択肢がないか考える必要があります。インプラントの強度が強くて細いインプラントがあれば、骨を厚くする手術が必要ないかもしれません。また、骨の高さが足りない時は、骨の高さを高くする手術をする必要があると言われることがありますが、、短いインプラントで、インプラントと骨の接着強度が高くて、過去に出された成績がいいものがないのか?なども検討する必要があります。骨を高くする、厚くする手術は、かなり痛みを伴うことが多いです。この手術を受けた後、インプラント治療は、ごめんだ、入れ歯でいいわと言う患者さんも現れてきます。

ある種類のインプラントでは、矯正歯科治療を絡めないとできなくても、違うインプラントとテクニック(基本テクニックです)を使えば、シンプルに治療期間も短くできます(矯正歯科治療を絡めるだけで、6ヶ月の期間がかかりますが、それを省くことができます)。色々な種類のインプラントの特性を知り、個々の患者さんにあった方法をできるだけ単純、シンプルな方法で行うのが、一番患者さんの肉体的・経済的負担が少ないですし、一番長持ちするインプラント治療の秘訣となります。

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